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米軍の日本占領時代(1945年ー1952年)にはミステリアスな事件や事故が続いた。とはいえ、その多くが解明されたわけではない。この時代の裏にひそむ闇の大きさは計り知れず、そこに関係した証言者や目撃者は口を閉ざしたまま、ほとんどが他界した。しかし、著者はこの闇のなかで活動していたあるジャーナリストの日記を発見する。 そのジャーナリストとは、英国人のコンプトン・パケナム。2007年、著者が発見した『パケナム日記』には、昭和天皇の密使といわれた松平康昌(宮内府式部長官)との親交が事細かに記されてある。パケナムの記した手書きの英文を丹念に読み取り、日記の解読をすすめた著者は、日本に生まれ、日本語を自在に使いこなした英国人記者の日米にまたがる人脈に目を見張る一方、松平を通じて天皇につながる確かなチャンネルを見出す。そのチャンネルは別方向ではニューヨークを経由して、首都ワシントンのジョン・フォスター・ダレス大統領特使に届いていた。 一方、パケナムの経歴に疑問を抱いた著者はニューヨーク、ワシントンからアイルランドや英国、さらには横浜や神戸まで足を伸ばした。その追跡行は戦後史を探求するストーリーである。不可解な糸に導かれるように、著者はパケナムの背後にある闇の世界へ足を踏み入れていく。
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